中島久枝 の 菊花ひらく 日本橋牡丹堂菓子ばなし(十)

★3.3 シリーズ10作目。
小萩も丸髷姿で3畳の小萩庵応対をするようになっている。この様子だと、伊佐と小萩の独立まで話は続くのかも。

4つの連作短編。「異国の」では「反射式のぞき眼鏡」や「万国総図」などが登場して面白い。「中秋の名月」「重陽の節句」「玄猪」はそれぞれの季節行事にからむ菓子の話。小萩が長屋の皆とにぎやかに月見だんこを作っているシーンは平和そのものだが。このような季節行事はいまや遠い昔の話となってしまった。

松屋の隠居、八衛門の孫娘、お結が登場するが、二十一屋の跡取り、幹太といい仲になりそう。松屋は煙草入れ、紙入れ、財布、根付