創作・善光寺の美少女。(3)

 後期高齢者の健翁は、あの善光寺の女子高生はどうしているかと思う。
 一歳下なので、彼女も後期高齢者である。

 私は傷心の一人旅である。彼女は大学進学を希望しながら、経済的事情で夢が破れた高校3年生である。
 長野県は広い面積なので、彼女は白馬方面の町の実家から出てきて長野市の下宿に住んでいた。よほど優秀でなければ高校から下宿生活はないだろう。
 話していて、大学生の私が彼女に教えられることが多かった。
 午前九時に出会って、深夜まで一緒に居た。
「今夜泊まるところがないなら、私の下宿に泊まっていいよ」
駅の軒下でもいいと思っていた。