50年前、教室の窓から湘南の海が見える女子高に通っていた。
通学で30分ほど小田急江ノ島線に乗る。
江ノ島線の唯一のトンネルを越えた小高い丘の上に、
オレンジ色の外壁に、濃い緑色の窓枠の可愛らしい家があった。
通学の混んだ電車のドアー付近に立って、トンネルを越えるとその家を見るのが好きだった。
どんな人が住んでいるんだろうか?
見上げるオレンジの家には、若い夫婦が住んでいるのだろうと想像していた。
時代は、小坂明子の「あなた」なんて歌が流行っていて、
もしも私が家を建てたなら
小さな家を建てたでしょう
大き