吹き寄せの茸汁なり野趣溢れ



 茸汁うからやからの声の満つ 森景ともね

 湯治場の煤け柱や茸汁 乾佐知子

 茸汁ホカホカよそう輪島塗  アロマ

 山の日の射し込んでゐる茸鍋 粟津松彩子

 葛城の行者も召すや茸汁 中田寿子

 煙出しに夕日しばらく茸汁  高千夏子

 落葉松の葉屑なつかし茸汁  瀧春一

 打ち立てのうどんを入れる茸汁 廣瀬雅男

 車酔ひ和らいでゆくきのこ汁 島内美佳

 茸汁あれこれ入れて出汁美味し  アロマ

 帰省子へ朝餉の汁のとんび茸 山形悦子

 お任せの料理なかばに茸汁  大西和子