石蕗の花盛りにて葉は闌れ



 けふの晴れ狭庭はすでに石蕗のもの  及川貞 榧の實

 ありたけのひかりあつめて石蕗黄なり  細木芒角星

 断層の浜黄の石蕗真っ盛り  アロマ

 ことしもここに石蕗の花も私も  山頭火

 母傘寿石蕗の里山を行く  アロマ

 つはぶきの花の日々新たなり  高野素十

 ふるさとと同じ石蕗咲き天草よ  鈴木真砂女 夕螢

 一隅を一切とせり石蕗の花  和田悟郎

 今すがれゆくもの惜み石蕗の花  稲畑汀子

 喜寿以後をあたたかく石蕗黄に咲けり  長谷川かな女 花寂び

 汐げむり上れば濡るゝ石蕗の花