連載:映画日記

ザリガニの鳴くところ オリビア・ニューマン監督作品

余り予備知識なしに鑑賞したが、重厚な純文学を読んだような印象を持った。サスペンス映画とはいえ、DVの家族の物語でもあり、自然と人間の共生、あるいは恋愛映画でもある。充実した映画だった。エンタティメントとしても十分楽しめた。また、自然の風景や鳥や植物の生態など美しかった。
舞台は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州の湿地帯にすむ家族の崩壊と取り残された少女カイヤの悲しい物語だ。
湿地帯の中で街の青年チェイスが変死体となった発見される。湿地帯にすむカイヤに疑いの目が向けられ捕まってしまう。映画は裁判の進行とともに、カイヤの追想によって彼女の人生が語られてい