さんが書いた連載映画日記の日記一覧

会員以外にも公開

「さかのなのこ」沖田修一監督作品

おなじみのギョギョギョのおさかなクンの半生を描いたほのぼのとした映画。こころ癒されました。 おさかなクンの役はみー坊としてのんさん、おかあさん役の井川遥さん、幼なじみのヒヨ君は柳楽優弥さん、海沿いの千葉の田舎を舞台に展開される。「好き」を大切に、多様な生き方を肯定的に…。 ほのぼのとしたファンタジジックな映画だった。暴力や死を見る映画ばかりの中で、こんな映画の大切さを感じた。 一つ…

会員以外にも公開

U-NEXTに加入した

以前から配信サービスに関心があったのですが、なかなか踏ん切りがつかなかった。でも、高齢者になって出かけることが億劫になったことからお試し期間に挑戦している。 今日までに4本見逃した映画をみたが、なんか後ろめたいような感じがして落ち着かない。集中力もなく一気に鑑賞することができない。これも慣れるのかなと考えてはいるが、正直、今後も続けるか迷っている。 今週観た映画は、 〇コンタク…

会員以外にも公開

アステロイド・シティ ウェス・アンダーソン監督作品

最近鑑賞した2作品、「バービー」に続いて難解な?不思議な作品だった。事前にネットなどである程度は覚悟していたが、入れ子構造の作品であるとか、予想以上に、不思議な作品だった。 楽しめなかったか?といえばそうでもなかったのだが、セットの作りとか独特な色彩だとか、アメリカンコミックのような感じとか、リアル感がない役者の演技のし方とか、それなりに興味があった。しかし、普通の作品のように主人公に同化して…

会員以外にも公開

「バービー」 グレタ・ガーウィッグ監督作品

北米で大ヒットしている「バービー」を見てきた。73歳のおじいさんから見ると、バービー人形で遊んだことがないのでよく分からなかった。 しかし、突端なから「2001年宇宙の旅」のオマージュから始まってびっくりした。ミュージカルと会話劇がトントンと進んであまり考えずに雰囲気に酔ってしまった。 主役のマーゴット。ロビーのスタイルの良いかわいさは十分男社会のシンボルなっていた。 解らないながら、…

会員以外にも公開

クロース CLOSE ルーカス・ドン監督作品

祇園祭で賑わうアップリンク京都で鑑賞した。 LGBTやクイア映画のように言われているが、そんな雰囲気もあるが、13歳の少年の繊細な感情を丁寧に描いた素晴らしい映画だった。 13歳のレオとレミは近くに住む親友で毎日一緒にすごいしている。こんな少年の関係は、かつてはどこにでもあったような気だする。自分もそんな友人がいたこともあった。最近は、こんな手触り感のある関係が少なくなっているのだろうか…

会員以外にも公開

遺灰は語る パウロ・ダヴィアーニ監督作品

猛暑を避けて早朝から鑑賞に行った。正直って、無理して見に行くべき作品ではなかった。しかし、ダヴィアーニ監督の背景を全く知らずに鑑賞したこともあり、何が何だかわからない。でも、イタリアンネオリアリズムの雰囲気を、「自転車泥棒」「無防備都市」などと共通するイメージがあり、懐かしく鑑賞することができた。なんといっても監督は91歳ということだ。 ストーリーは、著名な作家(ピランデッロ)が亡くなりその遺…

会員以外にも公開

ヤンヨンヒ カメラを止めて書きます 

ヤンヨンヒのことは知らなかった。彼女のドキュメンタリー「スープとイデオロギー」の話題がツイッターを賑わせていたので、紹介されている本を入手して読んだ。 エッセイと書いてはいるが、彼女がドキュメンタリーをつくってきた背景を家族の歴史とともに描いており、久々に感動した。250ぺーぐくらいの本ではあるが、一晩で読み切った。また、「スープとイデオロギー」を見逃してしまったことを後悔している。 …

会員以外にも公開

餃子は珉珉でしょ

RRR(アール・アール・アール) S・S・ラージャマウリ監督作品 アクションエンタと称されているだけあって、見たことのないしかし、懐かしさを感じる映画だった。人口14億人、平均年齢28歳(日本は48歳)という若い国でできた映画だ。180分の長尺ということもあり、ほんとういうと疲れた。 見せ場になるシークエンスがいくつかつながって飽きさせない。タイガー、オオカミとの戦い、橋の上で子どもを救…

会員以外にも公開

銀河鉄道の父 成島出監督作品

役所広司の独壇場ながら菅田将暉も負けてはいない。 ひさびさに邦画を劇場で鑑賞した。門井慶喜さんの原作は読んでいたが、賢治をどのように描かれているか関心があった。 父親バカと子バカ関係をこれでもかという描き方で、期待したどおり程度は楽しめた映画だった。なんといっても、菅田賢治は名演技で役所広司をしのぐものだった。それと、トシ役の森七菜は良かった。「銀河鉄道の父」なので仕方ないが、トシを主役…

会員以外にも公開

映画日記 小さき麦の花 リー・ルイジュン監督作品

京都シネマで鑑賞した。3月1日の割引ディだったこともあってかなり込み入っていた。 チラシにいう「奇跡と呼ばれた映画!」そこまで大げさではなかったが、新しい視点で描かれた中国農村の生活は、かつての新藤兼人の「裸の島」のような映画だった。 「互いに家族から厄介者払いされた二人の永遠の愛」でも、二人のあいだの会話がほとんどない。麦やトウモロコシ、じゃがいもなどの畑の畝をつくり、種をまき、収…

会員以外にも公開

ベネデッタ BENEDETTA ポール・ヴァーフォーベン監督

この監督の作品は初見ですが、なかなか面白かった。チラシには、 狂言か奇跡か 信仰か権力か 暴力と、セックスと、教会の欺瞞を挑発的に描く と怖い言葉が並んでいるが、小生の鑑賞としては、ボカチョの「デカメロン」を読んでいるようにどこか牧歌的な心象をうけました。 聞けば御年83歳になるヴァーフォーヘン監督とのことです。「鬼才」とのまくら言葉つき、これまで「ロボコップ」「エルELLE」「氷の…

会員以外にも公開

ノースマン 導かれし復讐者 ロバート・エガース監督作品

雪降るなか、府立医大の定期検診のあと、劇場鑑賞した。 北欧神話をベースに、ハムレットの元ネタといわれるアクション復讐劇で、野獣のような人間の姿に圧倒される映画だった。 「ライトハウス」も見たのだが、単なる史実をトレースするだけでなく、「人間とは何か」を追求したテーマについても考えさせられた。アフリカ中央部で生まれた同じ種とは考えられなかった。 「戦う」ことが本能的な姿勢である意味は、その地…

会員以外にも公開

ファミリア 成島出監督作品

角川新書「団地と移民」安川浩著を読んだことから、映画「ファミリア」を知った。 「団地と移民」は帯にあるように、 外国人、高齢者をネトウヨが襲う「空間」と化していた。 団地は、この国の“未来”である。テロ後のパリ郊外も取材した、地べたからの最前線ルポ!! 映画「ファミリア」は、愛知県豊田市保見団地(UR)が舞台になっている。 自動車産業で働くブラジル移民の労働者が居住者の大半を占めて…

会員以外にも公開

ザリガニの鳴くところ オリビア・ニューマン監督作品

余り予備知識なしに鑑賞したが、重厚な純文学を読んだような印象を持った。サスペンス映画とはいえ、DVの家族の物語でもあり、自然と人間の共生、あるいは恋愛映画でもある。充実した映画だった。エンタティメントとしても十分楽しめた。また、自然の風景や鳥や植物の生態など美しかった。 舞台は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州の湿地帯にすむ家族の崩壊と取り残された少女カイヤの悲しい物語だ。 湿地帯の中で街の…

会員以外にも公開

アプローズ・アプローズ 囚人たちの大舞台 エマニュアル・クールコル監督作品

タイトル通り観終わった後、喝采をしたくなった。フランス映画らしいやや哲学的でかといってへ理屈過ぎない、ユーモアのセンスも所々に感じさせる楽しい映画だった。 ネタバレがないように説明するのは難しいのだが、話は囚人たちの教育プログラムとして演劇指導することになった売れない役者のエチエンヌが、参加する6人の囚人たちや刑務所の管理者との葛藤を繰り返しながら、劇場公演にこぎつける。 6ッか月間の練習の後…

会員以外にも公開

ならシネマテーク 5月例会 ニューヨーク親切なロシア料理店

デンマークの女性監督(今は、女性監督なんて言ってはいけないらしい)ロネ・シェルフィグの作家性の高い映画だった。楽しめる映画ではないが、新しい視点に気づかされる映画といえるかもしれない。 デンマーク、カナダ、スエーデン、ドイツ、フランスの合作でロシアもアメリカも関係が無い。題名からして原題はKaindnes Of Strangers (見知らぬ人の親切)というのだが、ロシア料理店が舞台になっては…