冬の街ショーウインドーのぬいぐるみ



 暮早し裸火低きそう菜屋 有賀かをり

 川端に屋台ちらほら暮早し 藤沢秀永

 暮早し軒端に明かり点らせて  アロマ

 どの坂も下校の子等や暮早し 半田稜

 人疎ら産寧坂の暮早し 森なほ子

 電飾のいよよ華やぎ暮早し  和田慈子

 新幹線車窓の富士も暮早し  嶋田一歩

 暮れなずむ紅葉の庭に上がる月  アロマ

 バスの窓に顔の映りて暮早し 丸本博子

 暮早し人それぞれの持時間  古川利子

 「夕やけ」のメロディー流れ暮早し 森下康子

 暮早し裸木の枝を透かしつつ  アロマ