夕刻の枯野黄金(こがね)に燃え盛る  



 八方に山のしかかる枯野かな    松本たかし

 シフォンケーキ八切枯野のひろごれり 佐藤喜孝

 一瞬の日差輝く枯野かな 森洋子

 太古より刻止るかの枯野かな 大橋晄

 枯野行く晩節風を友として  碇天牛

 いつから此処に居たんだっけか夕枯野 池田澄子

 燃ゆるまま沈む金星大枯野  植村一雄

 いつ尽きし町ぞ枯野にふりかへり  木下夕爾

 夕刻の枯野黄金に燃え盛る  アロマ

 枯野来て子の見つけたる二番星 藤井彰二

 人影を入れてやはらぐ枯野かな 熊川暁子

 薄墨に枯野しっとり暮れ