倉敷エレジー   

岡山の倉敷は以前から行ってみたい所だった。
私が育った山口県の田舎では中卒の女の子の就職先はその倉敷にあった紡績工場くらいしかなく、就職組の女の子は中学を卒業したあと、親元を離れてそこで働いていた。

あの頃は交通の便も悪く、隣の県の広島とて日帰りで行くのは厳しかったから、そのまた隣の岡山はかなり遠い所だった。
紡績工場は大竹しのぶで映画化された「ああ、野麦峠」でも描かれていたが、その昔はブラック企業も真っ青になるほどのひどい職場だったようで、労働時間は長く、空気も悪かったため肺をやられて亡くなる女の子も多かったとか。

「女工哀歌」と言われ