連載:花万朶

山の暮らし・保存食

蕗の煮物が好きで、実家では畑に蕗があった。

結婚してからは、夫の実家で山蕗を頂いた。
山村なので春に山蕗を採って冬の食糧にする為に塩漬けにしてあった。

虎杖も皮を剥いて塩漬け、薇は干して乾燥させて、囲炉裏の上の棚に一斗缶に入れて保管してあった。ハレの日や何ぞごとの時に、それらは立派な脇役になって出てきた。

昔は秋の彼岸が過ぎた頃から、雪が降り始め村は雪の下になっそうな。暮らしの知恵で畑の野菜はみんな雪に埋もれてしまうから、白菜、キャベツ、ネギなど、印をつけた竿が立てられていた。天然の冷蔵庫である。

牛蒡や大根は地表にあると凍って