江戸の防犯・犯罪捜査と刑罰

 江戸では事件が起こりにくかったのだが、事件があれば捜査し犯人を捕まえるのは奉行所である。時代劇捕物帖では都庁である奉行所を警視庁の様に矮小化し奉行所の全体像を描いてないが、犯罪捜査も大事な仕事であったことに間違いはない。

 町奉行の手に負えない犯罪については、家綱時代の1665年に盗賊改を設置し、綱吉時代の1683年に火付改を設けた。町奉行が役方(文官)であるのに対し、火付盗賊改方は番方(武官)である。その理由は 殊に江戸前期における盗賊は武装盗賊団であることが多く、それらが抵抗した場合には町奉行では手に負えず、捜査撹乱を狙って犯行後に火を放ち逃