補陀落渡海 〜南海の果ての補陀落浄土を目指して〜

「補陀落(ふだらく)の海」と呼ばれた、那智勝浦に広がる熊野灘。熊野では海の彼方に理想郷・常世(とこよ)の国があると信じられていましたが、それに観音信仰が結びついて渡海が行われるようになったと考えられています。
慶竜(けいりゅう)上人が貞観10年(868)に渡海したのが最も古いとされ、その後18世紀初頭まで渡海が続いていたといいます。
外に出られないように扉をくぎでふさいだ小さな舟に、30日分の食糧と油を積み、呪文を唱えながら伴舟に曳かれて海へと旅立ったといわれています。

先日、那智勝浦の熊野へ行ったおり、補陀落渡海の出発地であった補陀洛山寺へ参