蕗の薹刻んで炒め味噌和えに



 枝垂梅渚のごとく迫り来る  塩川雄三

 原子炉を取り出すように蕗の薹  山内祟弘
 
 三日きざむ南の国の蕗の薹  小池文子

 春の蕗母金色に煮てくれぬ  脇 祥一

 持ち上げし土をまだ出ず蕗の薹  稲畑汀子

 湯掻いて刻み煮詰める蕗の薹  アロマ

 ある時は蕗味噌をなめ佗びしめる  山口青邨

 山川の香りはじめの蕗の薹  野澤節子

 日翳りにぽつぽつ覗く蕗の薹  アロマ

 佃島のとある路地裏蕗の薹  楠本憲吉

 蕗の薹刻んで炒め味噌和えに アロマ

 首だして気圧の谷の蕗の薹