蕗の薹数個芽吹いて早緑に
あめふらしの木の芽和添ふ隠岐の膳 松崎鉄之介 あかつきは薄き汗して芽吹山 能村登四郎 あをき画布に神の点描木の芽張る 林翔 そこらじゆうつながつてゐし芽吹山 岡井省二 とぶ雲の光り木の芽にうつろへり 高浜年尾 これはまた子持ちうぐひに木の芽味噌 細見綾子 このみちいくねんの大栃芽吹く 種田山頭火 にびいろに空おだやかや芽吹き山 森澄雄 …
あめふらしの木の芽和添ふ隠岐の膳 松崎鉄之介 あかつきは薄き汗して芽吹山 能村登四郎 あをき画布に神の点描木の芽張る 林翔 そこらじゆうつながつてゐし芽吹山 岡井省二 とぶ雲の光り木の芽にうつろへり 高浜年尾 これはまた子持ちうぐひに木の芽味噌 細見綾子 このみちいくねんの大栃芽吹く 種田山頭火 にびいろに空おだやかや芽吹き山 森澄雄 …
枝垂梅渚のごとく迫り来る 塩川雄三 原子炉を取り出すように蕗の薹 山内祟弘 三日きざむ南の国の蕗の薹 小池文子 春の蕗母金色に煮てくれぬ 脇 祥一 持ち上げし土をまだ出ず蕗の薹 稲畑汀子 湯掻いて刻み煮詰める蕗の薹 アロマ ある時は蕗味噌をなめ佗びしめる 山口青邨 山川の香りはじめの蕗の薹 野澤節子 …
蕗を煮る夕餉の支度ととのいて 篠田三七子 蝦夷蕗の大きさに旅なつかしく 稲畑汀子 蕗味噌や胃の腑静かに引き締まる 篠田純子 鼈甲の伽羅蕗が好きお茶漬けに アロマ 蕗摘んで湯治七日の暮しかな 田中峰雪 蕗を煮る葉は佃煮に香り立つ 安部里子 蕗の葉をかぶり日照雨の山下りる 鎌須賀礼子 生節と蕗煮て午後のジャズダンス 中道愛子 足寄…
水うまき地の酒を酌み朧の夜 成井侃 (ただし) 鉄塔の柔らかく立つ朧かな 橋口礼子 朧夜に心和みて温かく アロマ 灯台の光の中の朧かな 岩下芳子 てつぺんに鷺の降り来る朧かな 栗栖恵通子 朧夜の人の気持が分かる猫 小澤克己 隠りゐる日々の長さや朧月 岡田史女 朧夜の回るともなき観覧車 浅嶋肇 朧夜のワイングラスに映る月 アロマ …
緋桃枝垂れて目を射る車窓 アロマ 竹かごに桃の花生け床の間に アロマ 万作や雪野に錦糸卵かな 鎌田慶子 満作の花たしかむる夕かな 中川悦子 やうやくの満作明り庭にあり 阿部ひろし 金縷梅(まんさく)や日の溢れゐる播磨灘 酒井多加子 金縷梅に吹く朝風のちりちりす 室伏みどり 二階より咲く金縷梅坂の家 中村和江 金縷梅に息を合わせし歩…
檜葉垣に深き靄こめ去年今年 遠藤梧逸 木曽川や筏のうへの去年今年 吉田冬葉 去年今年何となく風邪気味であり アロマ 拝殿の奥煌々と去年今年 栗原澄子 平凡を大切に生き去年今年 稲畑汀子 燃ゆる火にひしめく闇も去年今年 木下夕爾 碇泊の汽笛が分つ去年今年 伊藤省三 籾殻のほこほこ燃えて去年今年 遠藤梧逸 軒をうつ霰が覚ます去年今年 飴山實 …
オリオンも齢も傾ぎ峡の冬 福田蓼汀 秋風挽歌 さくら散り蕊降り齢また重ね 鷹羽狩行 シヨートパンツ女は齢をすぐ忘る 白根順子 子の齢のセールスマンの汗に買ふ 村上喜代子 『雪降れ降れ』 年加え私のドレス色臙脂 アロマ 菩提樹の七百齢の実ぞあまた 吉田速水 風呂吹や母にとどきし妻の齢 古舘曹人 樹下石上 蕗味噌の苦さ肯ふ齢なり 深瀬正治 野茨や…
「アロマ」の句 夏の海夕焼け美しという母 機上より富士の雪嶺雲懸かる タンポポの白黄色と咲く無人駅 シャンゼリゼ凱旋門は工事中 当選の蕗味噌気に入る我が息子 懐かしい小学校の昇降口よ 春の色雨垂れ輝く軒端かな 辻挟み斜交いに辛夷白木蓮 武蔵野に風唸り深夜吹き荒れる
息子に瓶詰の蕗味噌買って アロマ 蕗のたう味噌にからめて武州かな 大木あまり 火のいろに 蕗のとう味噌といふもの少し食べ 高野素十 蕗の薹すり入れし味噌一人酒 西川阿舟 蕗の薹味噌といふもの少し焦げ 高野素十 分葱に味噌和えてさんさん狐雨 能村登四郎 文盲の母の味噌搗唄かなし 栗間耿史 母の忌や味噌蔵に跳ぶかまどむし 佐藤陸子 母の炊く味噌淡かり…
利根の風障子を鳴らす味噌おでん 山口青邨 裏庭に鳥くるころの柚味噌釜 服部百合子 懐かしき揚げと大根の味噌汁 アロマ 風呂吹きの味噌練りひとりごころかな 紺野佐智子 風呂吹にとろりと味噌の流れけり 松瀬青々 大阪の蜆の赤出汁天下一 アロマ 風呂吹に葱味噌とわが山家ぶり 石塚友二 玉縄抄 風呂吹の味噌は古人のねぶり粕 駒井胡周 風呂吹の味噌火襷となり…
葱散らす河豚雑炊は玉子閉じ アロマ セロリ入れトマト雑炊イタリアン アロマ 離乳食重湯もどきの鶏雑炊 アロマ 雑炊の腹へこまして談笑す 高浜虚子 雑炊の薬味異なる夫婦かな 三橋鷹女 碧々と韮じゃこ和布の雑炊 アロマ 雑炊もみちのくぶりにあはれなり 山口青邨 雑炊も人のなさけもさびしかり 河野南畦 雑炊やこけしづくりの子沢山 瀧 春一 雑炊やこ…
土筆たんぽゝ大人この春の三千句 中川一碧樓 土筆つみゐし子が一人白魚塚 星野立子 土筆なつかし一銭玉の生きゐし日 加藤秋邨 土筆なと摘まな三月戦災忌 上田五千石 琥珀 土筆のかたち光陰過ぐる矢のかたち 中村草田男 土筆の茎人肌いろに透きとほり 能村登四郎 土筆の頭遠くに人も円光負ふ 橋本多佳子 土筆みな浮く桶の水深ぶかと 阿波野青畝 …