人生の岐路・わかれ道 臨死体験

あれは、今から40年以上前のこと
生きる意味を求めて 旅に出た
家族の反対を押し切って
仕事をやめ ただひとり
異国の地を さまよった

見知らぬ町の 安宿で
赤痢になって 悶え苦しんだ
頭とお腹に 棒を突っ込まれ
掻き回されるような 激しい痛み
私は泣いた 泣いた 泣いた
死んだほうがましだ 死にたい死にたい

痛みの果てに 気が遠くなり
暗闇につつまれた
 ああ、このまま死ぬんだな と思った

その時 声が 聞こえた
    もう一度 やり直せば いい
あれから40年私は故郷の森にいきている

願わくば 君よ