連載:ブログより転載

ぶっきらぼう

 先日旅仲間とともに南房総の最南端に行った。翌日の帰り道、とある寿司屋さんに寄った。店の前の狭い駐車場すれすれに車を停め、のれんをくぐる。
 やさしそうな、いかにも寿司屋さんというふうな女将さんのひと声に乗せられ、カウンター席に座る。そして地魚ランチを4人とも注文する。
 女将にひきかえ、そこの店主。つまり旦那の印象がひときわ目立った。寡黙に寿司を握るその姿は、いかにも年期の入った握りひとすじという表現が似合う、年の頃60歳を超えているだろうか。愛想は決していいいとは言えず、握っている時の寿司屋特有のお愛想言葉もない。ぶっきらぼうな店主だなとその時は