さんが書いた連載ブログより転載の日記一覧

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花桃の思い出

 旅を楽しむ会というサークルを主宰している。一言で言えば、旅の好きな集団というか、集まりである。現在会員は164名ばかり。でも、そんなことはどうでもいいなと思っている。何もサークルに限ったことではないが、大事なのは規模ではなく、その中身だからです。  その旅を楽しむ会で行うイベントは、東北線(宇都宮線)の古河駅という所からの出発が多い。  花桃で有名なその古河市という所で私は生まれ育った。途中…

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お店と師走と川柳と

 暮れも押し迫ってきた。一般的にこの月は12月と言うが、暮れという言い方もある。  他にもあげてみれば、師走。これは昔からの12月の別名で、広く親しまれている。そして商店街などでよく使われる呼び名に歳末。まだまだ他にも年末という呼び方もある。特別な表現では、各月末が晦日と言うのに、この師走に限ってだけは大晦日と呼ぶ。昔の人はなかなか風流な言葉を使っていたななどと感心してみる。  とにかく…

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病室から

 病室にいると体が休まる、無限大なくらいに眠れるから不思議だ。普段はさほど忙しくもしていないし、睡眠も十分なくらいに取っているから、考えてみてもどうしてこれほど眠れるのか自分でもわからない。  病室にいるときは、本読みや難しいパズル解きや川柳短歌などを詠んでみたいと思わないから、これもやっぱり不思議だ。時間がない時は、あれもやりたい、これもやりたいと気ばかり走って、そのうちの半分もできずにいる…

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旅に出たら、それなりに

 現在「旅を楽しむ会」という、出かけることの好きな人たちの集まりの会を主宰している。  スタート時の春に10名たらずだった会員が、今は158名にもなって私自身が一番びっくりしている。思い返してみると、開設後わずか半年間でプラス50名とは予想もしていなかった。だからというわけではないけれど、7年目に入る来年の春頃にはいったい何名になっているのかなどと心の片隅で思ってもみる。  世に出ている…

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一面の蕎麦畑のはずが

 筑波山を右手に、緑色の畑が目にやさしい。陸稲を左右にして、車はさらに走る。その稲穂は例年なら2週間以上も前には刈り入れが済んでいるはずなのに。まだ稲穂のままなのだ。やや黄色から黒ずんで、しかも実りの証の頭は垂れていない。背丈も例年より低いような気がする。  こんな光景を見るのは何年ぶりか。  この夏の異常高温のため、この茨城でも農産物の成長に大きな被害を被ったというのが素人の私でもわか…

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水分補給

 この夏は暑かった。昨年とは比べものにならないほど猛暑日が続いた。いかに地球温暖化とはいえ、こう暑い日が続くと、夏好きな私でさえ、もういいかげんにしてくれと言いたくなる。  特にこの夏は出かけることが多かった。そのたびにお茶や氷を入れた水筒を持参した。泊まりで出かけた時などは、翌朝には氷は完全に溶け、水筒の中はぬるくなってはいても、やはり飲み物があるということは助かる。  家族が水分補給…

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旅への思い

 いい旅をしたい。  旅を楽しみたい。  旅の好きな人はみんなそう思っている。たとえその中身は違っても、結果として求めるものは同じだと思う。  旅に出た時の新鮮な目で、物事や世の中を見る。自分の知らない世界を知ることができる。旅先での人との出会い。そういうことが旅のもつ楽しみの大きな要因だと思う。  若い頃から全国あちこち出かけた。海外にもけっこう出かけた。しかし年齢を増すごとに…

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紫陽花は宝石のような花色

 花の美しさって、その姿だけなのかなと思う。  ひとりで咲いているのか、仲間と一緒に咲いているのか。  花たちだけで咲いているのか、まわりの雰囲気と調和して咲いているのか。  紫陽花を見ていると、いずれも後者の方だなといつも思う。  原産地は日本。  だから、お寺には似合うんだろうと一人で納得してしまう。静かなたたずまいの中に、淡青紫色の花は実に美しい。雨に打たれながらもひたむきに…

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蛍火

  蛍火 いきなり 舞う  ゆらゆら 舞う 一生懸命 舞う 力のかぎり 火を灯す 精いっぱい 火を灯す  これでもかと 火を灯す 葉末で 光る 川辺で 光る 空中で 光る 「ひかる」は 神のなせる恵みか 「なかぬ」は 神のなせる仕業か ホタルは  明日はわが身がないかもしれないと 知っているのか             ブログ「あべっちの思い…

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イベントを始めてちょうど丸5年が過ぎ

 「旅を楽しむ会」の最初のイベントをはじめてちょうど丸5年になった。会を創設した年の春は10名程度の仲間だったが、イベントスタート時点では20数名になり、今は173名とたくさんの所帯になってきた。  その間数えたら134回もイベントをやれた。途中コロナという厄介者に出くわし、1年8ヶ月の完全休業があったから、活動期間を正味に換算したら3年半にも満たない。今こうして振り返ってみて、大きな失敗がな…

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シャボン玉 飛ばそ

 小学2年生の孫娘が日曜日に遊びにきた。というよりも、息子夫婦がわが家の近くに用事があり、その間の3時間ばかりを預かることにしたのである。  7歳ともなるともはや遊びの名人だ。トランプのババ抜きと神経衰弱を一回ずつやったが、いずれも私は3人の中での完敗であった。一位は言わずと知れた孫。手を抜いたつもりは決してないが、結果として勝てなかった。敗因の一つは、テレビで巨人戦の中継をやっていたのが…

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ほんとうの優しい人というのは

 花が好きな私は、優しい人ですねと言われることがある。そのたびにそうかなあと思ったり、いちがいにそう決めるのは変だよと心の中で思ったりする。  たしかに花は好きだから、優しさの一面はないとは言いにくいだろうとは自分自身でも思う。けれど、花を好きな人に悪い人はいないなどといわれると、そういう言葉には多少は疑問のかけらが生じてくる。  これは犬や猫などのペット類を飼っている人にも同じよう…

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学生時代に心は戻り

 春になると中学時代の同窓会の通知がないかと心待ちにしている。4年に一度、オリンピックの年に開かれていたのだが、3年前(令和2年)に予定されていた時はコロナ感染拡大防止のため中止となり、翌年もまた中止となってしまった。それで昨年はどうなのかと気になっていたが、やはり通知は来なかった。  仮に今年同窓会が行われたとしても7年ぶりとなる。「じゃあまた4年後に」と言って別れたままの同級生たちはあれか…

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会社員はやはり 「地震雷・・」だろうか

4月になって、職場では人事異動や新入社員を迎えた会社も多い。新鮮な笑顔、新調なスーツ、若手のホープと期待され望みを多く抱いて働き出す若者たち。そのような新人には思わず拍手を送りたくなる。と同時に、「ジシンカミナリ、カジオヤジ」という言葉を思ってみる。それはどういう意味かと真剣に考えてみる。  すると不思議とこれは最後の一文字が「ジ」ではなく「リ」ではないかと思えてくる。文章にしてみると、「ジシ…

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コミュニティ 「旅を楽しむ会」

 私の勝手なサークルに「旅を楽しむ会」というのがある。当初はほんの少人数で始めたものなのだが、それでも正式に活動してから4年半を過ぎた。その会のメンバーの名前を今日はのんびりのぞいてみた。    それは私にとってはたくさんの人数だ。会のスタート時点ではわずか10名たらずだったが、その年の8月末には50名になり、11月28日には74名になっていた。  その間数名の方の退会はあったが、それはそれ…

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ぶっきらぼう

 先日旅仲間とともに南房総の最南端に行った。翌日の帰り道、とある寿司屋さんに寄った。店の前の狭い駐車場すれすれに車を停め、のれんをくぐる。  やさしそうな、いかにも寿司屋さんというふうな女将さんのひと声に乗せられ、カウンター席に座る。そして地魚ランチを4人とも注文する。  女将にひきかえ、そこの店主。つまり旦那の印象がひときわ目立った。寡黙に寿司を握るその姿は、いかにも年期の入った握りひとす…

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この時期ばかりは、町が雛一色にと思うほど

雛の町を歩いた。  といっても、雛でできた町のことではない。この時期になると町中のあちこちで商家や民家の入口などに飾られたたくさんのおひなさま。  町全体でひとつのイベントとしてとらえ、一ヶ月の間だけ雛の町に様変わりする。今回でたしか19回目だと思う。  さいわい風もなく、2月にしては暖かすぎるほどの土曜日。うれしいことに観光客を甘酒や利き酒でもてなす店もある。  白壁土蔵や木造のお…

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紅葉の中を8人の仲間と

 久しぶりにこの地に来た。といってもわずか一年ぶりのことである。それが久しぶりなのか、それともしょっちゅうという表現がいいのか。そんなことはどうでもいい。  奥入瀬を思わせるような渓流。  水は冷たく速い。  並んだ渡り石を超えて向こう側の茶店まで行ってみようか。  初めてこの地を知ったのはもうずいぶん前のこと。 あるホテルの事務の人から「すてきな場所がある」と言われて、車で案…

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城下町古河とその町並み

 関東地方のど真ん中、古河という所で私は生まれ育った。茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の5つの県にまたがり、利根川・渡良瀬川に沿ってその古河市という町はある。そして現在も長年にわたりその古河に私は住んでいる。途中13年ばかり町を離れてはいるけれど、やはり古河っ子に変わりはない。  この町の歴史は古い。万葉集にもすでにその地名は2首も詠まれているので、単純に計算しても1200年前には古河は存在してい…

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ムサカリ絵馬に思いを馳せて

 戦争や戦いで亡くなった未婚の子を、せめてあの世でお嫁さんをという親の切ない願いから生まれたムサカリ絵馬。江戸時代から続き、この最上・村上地方独特の風習だという。   若松寺は最上三十三観音の第1番として知られ、開創が室町時代までさかのぼる国内有数の歴史を持つ巡礼地。国指定重要文化財にもなっている。  山形藩主最上家五代目・頼宗の美しい一人娘・光姫が、自身をめぐる争いで命を絶たれた武将を憂いて…