連載:「人生で一番時給が高かったバイトの話」

生涯で一番時給が高かったバイト 16話

  
第六日目



 翌朝すっきりと目が覚めた俺が時計を見ると午前8時だった。

 今日はアルバイトは休みで夕方から合コンだ。

 俺は昨日のピストル騒ぎを想い出して布団の中でくすくす笑った。

 アルバイトを始めた頃の、もう辞めよう今辞めようという思いがすっかり心の中から消え失せて、逆にピストル騒ぎを経験して、やっと俺も一人前かな?などと密かに誇りに思っている自分がいた。

 ピストルでも刃物でも持ってこい!返り討ちじぁ!という気分、あと、せっかくだからあの時本物のピストルを手に取ってみたかったな~などとのんきな事、まで考え