密室殺人が多すぎる

 鴨崎暖炉の「密室狂乱時代の殺人-絶海の孤島と七つのトリック-」を読了した。著者はミステリー作家で、2021年に「密室黄金時代の殺人-雪の館と六つのトリック-」で第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞して作家デビューしている。本書は同書の続編で、孤島で行われた「密室トリックゲーム」の場で起こった連続密室殺人事件を描いたミステリーである。
 本書の設定と主要な登場人物は前作のそれを引き継いでおり、密室トリックが解明されない限り罪に問われない密室黄金時代の架空の日本である。ここで「密室黄金時代」とは、日本で最初に起こった密室殺人事件