お母さんはいいから

その時、私は小学校2年生だったかと思う。母に連れだって、私と妹、そして従姉妹のふみちゃんと4人で市内にある公園の桜を見に行ったことがある。

 新学期が始まっていたが、まだうすら寒い春の日だった。母とのお花見は、嬉しくて仕方なかった。日頃忙しく農作業をしている母が一緒に連れて行ってくれるなんて、それは珍しいことだった。
あの時、お花見に行こうなんて何故誘ってくれたのか、そのことが今も心に残る。

 それにもう一つ。桜の木の下にご座を敷いて、お弁当食べ始めた時だった。その時のおかずは、途中で買った1個五円のコロッケだったが、よく見ると3つしかなか