連載:読書

「好きなこと」:『少女モモのながい逃亡』

本を読んでいなかった訳ではない。ただ進まなかっただけだ。娘宅に行く日と仕事で毎日が埋まり、疲れてもいた。家に戻ると録画してある番組を深夜まで見てそのまま寝た。

不思議な小説で何処にも希望がない。僅かに見えた希望すら情け容赦なく奪われる。人間の命など何の価値もなく、世の中に正義などというものもない。

面白くないのかと言えばさにあらず、日にちを空けて読み出しても直ぐに没入出来る程面白い。作者は清水杜氏彦という知らない人で、何故こんな力のある作家が有名にならないのだろう、私が知らないだけなのだろうかと思った。

何故作者は今これを書いたのだろう