実物大の迫力「大塚国際美術館④」

 大塚国際美術館の特長の一つは実物大と云うことだ。それは最初に通されるシスティーナ礼拝堂を見れば分るが、その他にも建物の内装が全てそのまま再現されている部屋がある。そこは、イタリア・パドヴァの高利貸業で大富豪となった一族出身のエンリコ・デッリ・スクロヴェーニが14世紀初頭に私財を投じて築いた礼拝堂だ。最近世界遺産登録がなされた建物で、内部は画家ジョットらの手によるフレスコ画で飾られている。時に、絵画は展覧会などで海を渡って来ることはあるが、フレスコ画は無理だ。さらに、これら建物の一部で無くても、大作であり、美術館にとっては中々外に出すことが躊躇われる作品