柿若葉鰻重の味殊の外



 飽食や天麩羅種の柿若葉  松本文一郎

 蜘蛛の糸きらきら光り柿若葉  浅田光蛙

 ふるさとの人疎らなり柿若葉  井上静子

 屋根越しの色を見せたり柿若葉  矢崎暉文

 柿若葉窓からの色冴え冴えと  アロマ

 柿若葉むかし傘屋に渋の甕  塩路隆子

 風吹けば光の動く柿若葉  小寺ふく子

 夕風や雫こぼせる柿若葉  白石正躬

 柿若葉重なりて尚透きとほる 本多俊子

 大地震や天ぷらうどん柿若葉 瀬川公馨

 武相荘に骨董市や柿若葉 鈴木庸子

 柿若葉夕刻に入る頃の色  アロマ