小さな壁の街

 ウィンストン・グレアムの「罪の壁」を読了した。著者はイギリスの小説家で、そのジャンルはミステリー、歴史小説、ノンフィクション等多岐に亘っており、ヒッチコック映画「マーニー」や映画「マロニエの別れ道」等の原作で知られており、生没年は1908.06-2003.07である。本書は1955年刊行の作品で、同年の第一回CWA賞クロスド・レッド・へリング賞(現在のゴールド・ダガー賞)受賞作であり、アムステルダムの運河に身投げした兄の死の謎を追う弟の姿を描いたミステリーである。
 物語の舞台は第二次隊戦争終了後のヨーロッパである。本書の主人公のフィリップ・ターナー