長谷寺の登廊脇の牡丹かな



 カッコウと呼びつつ山を行く子あり  鎌倉喜久恵

 郭公や開く朝刊読書欄 田中信行

 湖畔に郭公鳴いて夏休み  アロマ

 郭公に近づく橋を渡りけり  野上杳

 郭公の声聞きながらツーリング  坂本和穂

 優雅な山荘暮し郭公鳴く  アロマ

 夕映えの地平にふと郭公よ  アロマ

 郭公のひと声朝の鍬を振る  森岡正作

 郭公の鳴けど姿の見えざりき 保坂加津夫

 郭公や手織り木綿のもんぺにて  近藤公子

 カッコーが棲む交差点夏は来ぬ  佐藤喜孝

 郭公に応へるごどく深呼吸  土井ゆ