アーウィン・ショーのこの短編を、若い頃は夏が来るたびに何度も読み返しました。舞台は1930~40年代のNY。摩天楼に分断される光と影。そして縁あってNYを訪れる機会が何度かあり、この短編の持つ瀟洒な中の悲しさ、お洒落さに惹かれていました。当時は肌を露出した原色のサンドレスなどを着て。

時代変わって、夏服はダボっとしたものに。今通りを歩いて、ショーが描いたような「夏服を着た女たち」に巡り合うことは稀です。

私の夏はこの小説とボサノバから始まっていました。それがいつの間にか、何のトキメキもなくTシャツ短パンの毎日に。外に出る時は、流行のダボっ