日本書紀を読む 141



 十年の春正月の己亥の朔庚子(二日)に、大錦上(だいきむじやう)蘇我赤兄臣と大錦下巨勢人臣とが殿の前に進み出て、賀正事奏して新年の拝賀をする。

 癸卯(五日)に、大錦上中臣金連が、神祇官として正月の祝詞を奏する。

 この日に、大友皇子を太政大臣に任ずる。蘇我赤兄臣を以て左大臣とす。中臣金連を以て右大臣とす。蘇我果安(はたやす)臣・巨勢人(ひとの)臣・紀大人(うしの)臣を以て御史大夫(ぎょしたいふ)とす。御史は言うならば今の大納言か。

 甲辰(六日)に、東宮太皇弟奉宣(ひつぎのみこみことのり)して

 ある本には、大友皇子宣命