ひとり暮らし

  夫が死去してから半年の歳月が流れた。
否応なしに、ひとり暮らしが始まったのだが、ふと考えて
みたら、彼は入院してから一度も自宅には帰ることは
なかったので、実質的なひとり暮らしは10ヵ月になる。

 虚脱感と多忙さに紛れて生活しているうちに、
ひとり暮らしも一年を迎えることに改めて気がついた。

 今の世の中、ひとり暮らしに身をおいている人なんて
巨万(ごまん)といるのだから、取り立てて珍しいこと
でもなく、嘆き悲しむことでもない。
むしろ、若い時は自由気儘に生きられる、ひとり暮らしを
好む人たちも多く、中高年の人達も例外では