親愛なる君へー

梅雨の晴れ間、坂道の落ち葉履きをして戻り始めた眼の前に、道の真ん中で踏ん張っている小さな雨蛙をみつけた。綺麗な緑色、みずみずしい緑ー

やあーこんにちわ、よくきたね、何処から来たの?しゃがみ込んではなしかけてみたが、ピクリとも動かない。
お前もペンキぬりたてかー誰かの句のようなたくましさはなくて、弱々しくかわいいー
ピョーンと上手に飛び上がって道の端に行った。そうだ君にはジャンプの特技があったね。だから遠くまで行ける。
15年前に人工関節手術した私は、走ることも飛ぶことも出来ない。
外出もままならぬ最近の私にとって、綺麗なジャンプで横切る君の