河童橋から上流ですれ違う人は殆どが外国人。道は平坦ではなく、結構アップダウンがある。
穂高連峰の見える角度が変わって行く。
山は急峻で、心が震えるような、力強さがある。自分があそこに登れるとは思えないが、簡単には人を寄せ付けない厳しい美しさがあり、それだけに惹きつけられる。
「昔来た時より山が近くて大きく感じる。昔は山になんて興味なかったからかな」
「それも心理学用語があるかもよ」
すぐ側の切り立っている山しか見えなくなる。明神岳だ。
「何処をゴールにするの?」
息子と来る時は全て息子任せで何も考えない痴呆状態。何処だっ