連載:戯れナンセンス

発明と後悔



「よし!絶対にものにしてみせるぞ!」
そう言うと彼は研究室に籠った。

かれこれ2年と3カ月余り。
食べるものを食べ、飲むものも飲んで、彼は研究に没頭した。


「できたぞー!!」
大きな叫び声と共に彼は研究室から飛び出してきた。
その声に驚いた同僚たちがぞろぞろと集まって来た。
「遂に完成したぞ!」
「何を作ったんだい?」
「聴心器だ。」
「何だって!? 聴診器?」
「違う違う、聴診器じゃない。聴心器だ。」
「何だ、その聴心器って?」
「聴診器は医者が胸に当てて呼吸音を聞くだけだが、この聴心器はそんな安っぽい物と