私は、この時代を書き、「青とう」やらいてうについても度々書きながら、この世では一度も彼女たちに逢っていない。田村俊子にも、野枝にも、紅吉にも逢っていない。 私はらいてうに逢えば、その強い個性に圧倒されて、書けなくなりそうな気がしていた。 紅吉は、 圧倒されそうですぐには近寄る気にはなれなかった。 「青とう」の同人では、小林歌津には度々逢っている。
恋はある日突然、雷が落ちるようにその人の上に落ちてくる。それは直撃すれば人の常識や倫理観を打ち砕くし、貞操などは木っ端みじんにする怪力を持っている。
女性の力
今から100年前の日本の女性がどう生
連載:読書感想連載