連載:読書感想連載

第25番目『烈しい生と美しい死を』(瀬戸内寂聴著)は、2011年は、大逆事件で12人の死刑が執行されて100年目、平塚頼てう主宰の「青とう」が発刊されて100年目。現代の若い人たちに、この当時の事件や日本人の思想を識って欲しいと

 私は、この時代を書き、「青とう」やらいてうについても度々書きながら、この世では一度も彼女たちに逢っていない。田村俊子にも、野枝にも、紅吉にも逢っていない。 私はらいてうに逢えば、その強い個性に圧倒されて、書けなくなりそうな気がしていた。 紅吉は、 圧倒されそうですぐには近寄る気にはなれなかった。 「青とう」の同人では、小林歌津には度々逢っている。
 恋はある日突然、雷が落ちるようにその人の上に落ちてくる。それは直撃すれば人の常識や倫理観を打ち砕くし、貞操などは木っ端みじんにする怪力を持っている。
 女性の力
 今から100年前の日本の女性がどう生