青空の海辺に深紅の夾竹桃



 青大将納屋に潜める半夏かな   牧野寥々

 塩嘗めて窯焚きつづく半夏生  上野さち子

 夕虹に心洗はれ半夏生  八島英子

 村挙げて蛸食ふ慣ひ半夏生  西尾宗一郎

 若狭路の仏を恋へば半夏雨  角川春樹

 ローマとは松と夾竹桃の街  高木晴子

 この町の街路樹彩なす夾竹桃  アロマ

 青空の海辺に深紅の夾竹桃  アロマ

 玉音を聞きしこの駅夾竹桃  榊原麦子

 白夾竹桃のたそがれながし予後の旅  角川源義

 山開き画布はさみどり滴らす  佐藤いね子

 撒く塩の草に音たつ山開き