「君たちはどう生きるか」(監督:宮崎駿)。甦る宮崎ワールド・・・だが。

 監督として最後の作品とされた「風立ちぬ」は、伝記的作品でありファンタジーでは無かった。今回も吉野源三郎の同名小説の映画化で、ファンタジーでは無いのだろうと思った。しかし、予想に反してこれは、正真正銘のファンタジーであった。小説との共通点は、主人公が所謂「少国民」と言われる少年であるところだけだ(主人公が小説を読み涙するシーンはあるが)。

 母親を戦災で亡くした少年牧眞人が疎開先で「異次元」の世界に迷い込み、「友達」となったアオサギや異世界の住人と力を合わせて、その異世界に捕らわれてしまった亡くなった母親の妹(彼女は新しい母親となる人物)を助けな