兆候

ベッドへ入る前、必ずカーテンの隙間から外を見る。
電信柱に取付けられた灯りと月だけが深夜の家々を微かに照らしている。

一つだけ明るく見えているのは金星だろうか。
暗闇を見つめるのは、まれにキタキツネが通るから。

どうやら今夜の出会いはなさそうと諦めてカーテンを閉めようと思ったその時、左から右へ小さな光が走った。

もしかしたら流れ星?
と思う間もなく脳が反応し「どうか体調が少しでもよく」まで願いを云った所で星は燃え尽きたのか光が消えた。

過去に何とか流星群が見られますと云うニュースがあった時でさえ一つも見られなかった流れ星(多