偶然の連鎖

まだ妻が健在だった頃、私の両親の墓参りに行った時のことだ。
墓は山を切り開いた広大な霊園の一角の、南向きの斜面の上から3段目で、景色も日当たりも風通しも良い場所だった。両親の墓のすぐ上の段の墓にも墓参りの一家が来ていたのだが、その中の一人が妻を見て声を掛けて来た。それは妻の知り合いだった。なんと、両親の墓の真上の墓は、妻の知人の家の墓だったのだ。
関東にどれほどの霊園があるのか分からないし、両親の墓がある霊園には少なくとも数千の墓があると思う。その膨大な数の墓地の中から、こんな近くに知人の墓があるというのは、ものすごい偶然だろうと思う。

偶然と