連載:

「コスモスなんて知らないわ」

大山と言えど私にとっては立派な登山だった。その翌日朝5時に起きて出勤する69歳。笑うしかない。

当然筋肉痛だが、それを同僚に気取られないようにするのは、何とも愉快だ。

「お金を貯めるのなんて簡単よ」
A子さんの声だ。いつも大きな声でB子さんと話している。聞き耳を立てた。
「使わなきゃいいのよ」 

簡単明瞭。彼女は365日働き続け、その事が最大の誇りになっている。

「花火の次は何がいいですかね」
壁には花火の掲示物が貼ってある。

「秋の花って何でしょう」
「あら、沢山あるんじゃない?」
具体的な名前は出て来ないらしい