翳りゆく沖の小舟や秋の空 　　田中由紀子

　いつまでも眺めていたき秋の空 　堺昌子

　秋空に公孫樹の黄葉冴え冴えと　　アロマ

　秋の空雲の流れの絵巻物 笹村政子

　草千里秋の空へとつづきけり　　迫谷富子

　秋の空仄か茜に暮れ泥む　　アロマ

　秋天や信濃の山の草に寝て　　田中藤穂

　秋天に観覧車回って長閑昼　　アロマ

　秋天に高さを加へ切通し　　矢島久栄

　遺跡また出でし都心や秋の空　　稲畑廣太郎

　秋天掻き曇り雹ばらばらと　　アロマ

　刻刻の色襲ねゆく秋の空　　東亜未

　秋