帰り花仄か光を吸うように



 明るさやどこかにきつと帰り花  今井千鶴子

 昼の月漂ふ空や返り花  梅史

 松虫草返り咲く日の湖淡し  堀口星眠

 日に消えて又現れぬ帰り花  虚子

 返り花仄かに咲いて夕闇に  アロマ

 帰り花汐風うけて暖かき  里人

 寄生木に冬を残して帰り花   菊童

 四季桜気付かぬうちに咲いており  アロマ

 山吹の色を尽くせる返り花  椎橋清翠

 山国の日和は梨の返り花  碧雲居

 狂ひ咲くつつじの緋色澄みて秋  小松崎爽青

 茗荷畑ありしあたりか忘れ花  横井也有

 秋の