断層の浜に石蕗の黄の花が



 氷魚透き湖北なまりに量らるる  樺山翠

 笊に揚ぐ氷魚躍りし湖北かな 竹中一花

 掬はれてたばしる水に消ゆ氷魚  藤岡紫水

 氷魚汲み伊吹山(いぶき)をたぐり寄せにけり 渡辺民親

 繊細な琵琶湖の氷魚鮎飯に  アロマ

 追憶をたどり暮れゆく氷魚の湖  小田明美

 みづうみの果てまで晴れて氷魚汲む  金森教子

 風通ひあまねく石蕗の蕾かな 山西雅子

 昼すぎて日当る小庭石蕗の花 宇利和代

 石蕗の花枯れて咲きつぐ滝見茶屋 西田もとつぐ

 断層の浜に石蕗の黄の花が  アロマ

 夕暮の