「お幸せね、こんな可愛いお孫さんがいて」
「ありがとうございます」
優先席は埋まっていたが、私達が乗り込むと一人が席を譲ってくれて、弟クンが座った。
また一人が譲ってくれてお兄ちゃんも座れた。私はドア近くから二人を見ていた。二人の前には娘がいる。
今度は優先席前が空いたので、孫達の前に移動した。そこで孫達の隣に座っていた女性に言われたのだ。
「さっきから二人で川や空が綺麗だって言ってるの。凄く自然を見てるのよ」
電車に乗って直ぐに私はお兄ちゃんとドア付近に立っていた。
「バアバ、富士山!」
「えっ、どこ?」
私は