甦るクリスマスのあの日あの時

 クリスマスと言えば、幼いころの思い出が甦る。子どもらが寝ている間に、母がなけなしの財布をはたいて、かわいい手毬や洋菓子の入った靴下を枕元にそっと準備してくれた。「サンタさんからの贈り物だよ」と3人きょうだいに言い聞かせる母の傍で、みんな揃って目をぱちくりさせたものだ。
 そんな習慣も思春期を経る中ですっかり影を潜め、地元を離れて単身生活の学生時代よりこの方、クリスマスを家族で祝う機会は皆無である。ここ最近は、ボランティアで通っている『マザー・テレサの家』でシスターから心のこもったメリー・クリスマスの贈り物に手を合わせ、感謝のひとときを愛おしんではいる