花吹雪路上を滑り逃れ行く



 仕上がりし雪吊に日の行きわたり 宮津昭彦

 雪吊に来てジョギングの折返す  別府優

 雪吊りの兼六園に行き合いし  アロマ

 蕎麦啜るたび雪吊の締まるかな  小川真理子

 北陸路雪吊の藁あたらしき   小浦遊月

 雪吊や大樹は枝の先をこそ  密門令子

 東京の雪吊が雪招きけり 藤原照子

 雪吊りに開け放ちある大座敷 伊藤葉

 こゑ一つ無く雪吊の吊り終る 青山丈

 雪吊解く一瞬空の胴震ひ 柴田近江

 雪吊に雪ありてこそ加賀の酒 中田みなみ

 雪吊りより長き廊下や福寿草 大島翠木