屋上に冬銀河抱く深夜なり



 冬銀河見てきし蒼き髪を解く 小澤克己

 玻璃越しに煌めき光る冬銀河  アロマ

 飛び乗りし冬銀河への寝台車 川口襄

 高原の旅宿に仰ぐ冬銀河 平しげる

 葱掘りにでたる真上の冬銀河 藤井昌治

 生きざまの弾けるロック冬銀河  鎮田紅絲

 冬銀河掬い上げては飲むロック  アロマ

 冬銀河改札一人出でにけり  後閑達雄

 ふと見れば列車の窓に冬銀河  アロマ

 石垣へ修学旅行冬銀河 池崎るり子

 千万の宝石めけり冬銀河 久保栞

 灯を消して湯宿の潤む冬銀河 田下宮子

 冬銀河夜