タオレテ、ノチ、ヤム(斃れて後已む)94歳の想いと暮らし(4)痒いところ

「去年はいろいろ世話になってありがとう。ホカロン火傷にはじまって、三回も転倒して傷こしらえて、その都度手当してもらって世話になったもんなあ」
 今日新年初の訪問に来てくれた訪看(訪問看護師)さんに、お礼を言って、
「厄介な爺さん、こんな患者、イヤだと思ってるかもしれんけど、今年もよろしく頼むよ」
 と年初の挨拶をすると、
「いえいえ、あなたの程度でイヤがってたら、行くところ、ありませんよ」
 と彼女は言ってくれた。
 そう言えばそうかもしれない。
 妻の自宅介護の頃、毎日訪看さんが入れ替わり立ち替わり来てくれたが、たしかにたいへんだった。