タオレテ、ノチ、ヤム(斃れて後已む)94歳の想いと暮らし(5)故郷は遠きにありて

私のプロフィールのフォトは、大阪通天閣だが、それは切りとった一部で、友人から借りたその写真の全体像は、末尾のフォトのとおりである。
 通天閣といえば、新世界の繁華街から撮ったものばかりが目につくが、こんな写真が撮れるスポットがある。

「日残りて、昏るるに、未だ遠し」
 藤沢周平「三屋清左衛門残日録」のサブタイトルであるが、私はもはやそのときを過ぎ、すでに半ば以上も没した太陽の残光が空を赤く染めている時期にある。

 私の住むところ、神奈川の小都市には東名高速の高架がある。
 あの東名を西へ、西へ、ひたすら走れば故郷に行ける。
 しかし、