紳士と淑女

「家にあれば笥にもる飯を草枕旅にしあれば椎の葉にもる」
美しい和歌であるが、違う一面。
人はあってほしいものを得ることができないとき、あるもので妥協することを表しているのではないかと気づいた。
我々の世の中で、女性は恋を求め、男は性の対象を求める。
50代になり、相手を求め、出会ったとき、互いに少しの妥協を含みながらデートに至るが、もともとは、交わるはずのないスカラー同士の平行線。それが互いの深意を図りあえる関係になればベクトルとなり、座標系を得る。
恋情と性欲だけで互いを認め合えるのはひとときの間、互いが生活に必要な道具とならぬと男女は、やが