味噌汁に碧い冬菜を放り込み



 枕頭に寝酒漱石サザエさん   平井奇散人

 星の夜や寝酒に熱き卵酒 高木邦雄

 ボルドーを寝酒と決めて霜夜かな 稲畑廣太郎

 池越への風のきららや冬木の芽   環順子

 晴れてきし朝の青さよ冬木の芽  竹内悦子

 町なかにお濠の遺跡冬木の芽 今井松子

 冬木の芽米つぶほどの光かな 太田チヱ子

 足下につむじ風立つ冬木の芽 國保八江

 植木屋の去りし翌朝冬木の芽 鈴木石花

 東京は人渇く街冬木の芽 宮岡弘

 寒芹をすすぎし水の青みたる 杉浦典子

 寒芹の使ふだけ摘み昼餉かな 青木陽