「鰭 酒」の日記一覧

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味噌汁に碧い冬菜を放り込み

 枕頭に寝酒漱石サザエさん   平井奇散人  星の夜や寝酒に熱き卵酒 高木邦雄  ボルドーを寝酒と決めて霜夜かな 稲畑廣太郎  池越への風のきららや冬木の芽   環順子  晴れてきし朝の青さよ冬木の芽  竹内悦子  町なかにお濠の遺跡冬木の芽 今井松子  冬木の芽米つぶほどの光かな 太田チヱ子  足下につむじ風立つ冬木の芽 國保八江  植木…

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南極の氷で作るオンザロック

  「アロマ」の句  夕映えの街に夏めく星の色    アズレージョ駅のホールに夏来る  夏薫るポート・ワインとアズレージョ  夏空の蒼いタイルやアズレージョ  吾子燥ぐ夏の袖なしワンピース  硝子器に半丁夏めく冷奴  夏兆す庭の碧も冴え冴えと  君捧ぐ薔薇の花束我が青春  誕生日ピンクの薔薇と黄の薔薇と  薔薇の午後香り豊か…

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馥郁と香る鰭酒至福の夜

 【昨日は大根飯を炊いた 何時もより大根も油揚げも少なめだった】    鰭酒にいささか威厳を崩したる  山田弘子  鰭酒を継ぎてきちんと蓋をしぬ  山尾玉藻  料理屋の鰭酒熱々舌鼓  アロマ  鰭酒に二度目の山雨来てゐたり  湯橋喜美  鰭酒や北支南支の戦経て 竹村良三  鰭酒に神事のごとき火を灯す 齊藤實  鰭酒を座るやいなや頼む夫  籾…

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小寒に膝掛け厚くネットする

 【 早朝の入浴 それから着込んでネットする 】  小寒に膝掛け厚くネットする  アロマ  小寒のひかり浸して刷毛目雲  火村卓造  小寒やまぶしき月が枯木越し  相馬遷子 山河  小寒の夕映富士をのぼりつむ  浅羽緑子  牛乳うまし寒の入日の雲染めて  太田鴻村  をちこちにこぼるる夕日寒の入  桂信子 草影  寒に入る日の新聞をひろひよみ…

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口開けの店にて河豚フルコース

 飛機降りて河豚の宿へと一直線  稲畑廣太郎  河豚鍋に関門の灯の滲みきし 山田弘子  河豚料理宿に夕餉を認めて  アロマ  ふつふつと河豚鍋囲む三世代 佐野静子  別府にて河豚を頂く親子旅  アロマ  海鳴りの腸に沁み河豚汁 うまきいつこ  草河豚の潮けぶらせて産卵す 林敬子  カナト河豚味噌汁美味しと母の言う  アロマ  夕暮れに河豚の…

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味噌汁に冬菜どっさり柔らかく

 飴ひとつづつ暖冬の母とわれ  鈴木鷹夫 渚通り  暖冬の半月にして野に澄めり  飯田龍太  妻と其の寒気凛々しきピアノの音  中村草田男  踏切を越えし頃より寒気ざす  山口誓子  霜の朝草に白い縁かがり  アロマ  わが乗れる汽車の尾が見え冬の浜  菊川千代子  冬の浜人あらはれて海苔を干す  伊東宏晃  時失せてゆく眩しさや冬の浜  仙田洋子  たらたらと日差しの遊ぶ冬…

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秋の旅スイッチバックで霧島へ

   「アロマ」の句  白槿見事に咲いて汚れなし  柿映えてひたすら蒼く秋日和  零余子飯炊けてほくほく椀に盛る  茸入れ炊き込み飯を作る人  野道行く蒼い満月若々し  耶馬渓で自然薯蕎麦を食べつつも  武蔵野に黄色い木々の立つ辺り  三峰山神橋渡り紅葉踏む  秋深む鰭酒河豚刺し賞味して  秋の旅スイッチバックで霧島へ    「松本たかし」の句  十五…

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春を待つ色鮮やかな庭想い

 年々に春待つこゝろこまやかに  下田実花  待春のふくれ崩るゝ波頭  星野椿  春一番二月四日に吹いており  アロマ  待春の大樹の風を孕みたる  上野 泰  待春の身の透く小鯛笹漬けに  田中英子  待春の金の成る木に花が咲く  伊藤いと子  仮縫のあとこころもち春を待つ  朝倉和江  春を待つ鳥居の前の茶店かな  比叡 野村泊月  春を待つ芽吹き加減の桜かな  アロマ …

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差し向かい東京の夜に鮨つまむ

 をなもみや東京の人早歩き  日野たんぽぽ(童子)  ほつと月がある東京に来てみる  山頭火  東京に修学旅行高二秋  アロマ  ふるさとは東京うぐひす餅を買ふ  鈴木蚊都夫  炎昼いま東京中の一時うつ  加藤楸邨  花が葉になる東京よさようなら  山頭火  海苔をあぶりては東京遠く来た顔ばかり  尾崎放哉  銀杏ぼたぼた上野公園 アロマ  観覧車より東京の竹の春  黛まどか…

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月今宵高速道路駆け抜ける 

 月今宵日本列島雨となる  稲畑汀子  裏木戸に栗鼠来て遊ぶ月今宵  和田和子  鰭酒もありて今宵の月を待つ  増田久子  金印の島を浮かせて月今宵  前田陽子  月今宵空に蒼々若々し アロマ  ナプキンの白扇びらき月今宵  藤井明子  月今宵高速道路駆け抜ける アロマ  月今宵墨が磨りたくなりにけり  堀内一郎 あを  月今宵さやかにのぼる湯のけむり  松村越子…

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フグ料理鰭酒添えて舌鼓

 日曜の午後  洗濯機を始動  昼は秋刀魚の開きをオーブントースターで焼き  おろし大根を添える     「アロマ」の句  大広間暖炉ぬくぬくとろ火燃え  クリスマスリップスティック黒薔薇よ  カシオペア軒に煌めく冬の宵  寒牡丹臙脂を生ける鉄器かな  フグ料理鰭酒添えて舌鼓    「高浜虚子」の句  凩や猿ぶら下る角櫓〈すみ やぐら 〉  谷川や氷の底の水の音…

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小学生学校より帰って饒舌に

 孤りのスキーその技のみは饒舌に  林翔 和紙  魚雷待つ皆着膨れて饒舌に  渡邊白泉  泣くことのあれば饒舌の霧一夜  渡邊白泉  寄鍋や子の饒舌を幸として  岡田貞峰  汗し饒舌亡父語るわれら異母姉妹  平井さち子 完流  小学生学校より帰って饒舌に  アロマ  寒餅の罅の饒舌はじまりぬ  斎藤みゑ子  萱草の饒舌畦に屯して  間名部ちさと  花種を蒔きしその夜は饒舌に  …

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吾子の喃語(なんご)の寝言可愛くて

 吾子の喃語(なんご)の寝言可愛くて  アロマ  入学のカバン飾りて子の寝言  角下美智子  灯下親し仔犬の寝言唄に似て  あかぎ倦鳥  朝蝉の寝言まがひのこゑ一つ  高澤良一 素抱  寝言云ふ孫預かって明易し  高澤良一 素抱  寝言まで気焔の夫に山笑ふ  三浦妃代 『花野に佇つ』  寝言いかに花待山の気草臥(きくたびれ)  宗也 選集「板東太郎」  初雪や寝言にいひし夢合  …

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春を待つ軒端に雪の堆く

  ( 夕食はお鮨 筍土佐煮 レバニラ炒め    ケーキ きな粉お萩 刻みキャベツ塩揉み )  果樹園も日ざし春待つスイス領  有働亨 汐路   汀歩す待春の富士輝いて  星野椿  濡れてより待春の黒土となる  岩岡中正   火を焚くや万年杭も春待つ木  佐野美智   煎大豆に花の春待つ宵なりけり  西勝 選集「板東太郎」   玩具と野菜畳に置くよ春待つよ  磯貝碧蹄館 握手…